2011年8月5日金曜日

誰かが行かねば、道はできない by 木村大作


最近、心底しびれた本。木村大作「誰かが行かねば、道はできない」。出張の際に帯同しましたが、あまりのおもしろさに搭乗時刻を忘れそうになるくらい。木村大作氏は映画「八甲田山」から「駅(station)」など数々の伝説的邦画のキャメラを担当された名カメラマン(※最近作「剱岳」は監督を務められています)。木村さんのカメラマンとしての経歴を辿っていますが、おもしろいのは、独断専行ぶりです(もちろん映画に対するあくなき情熱がそうさせているのです)。撮影現場で「油断している役者等」をどなりつける様は読んでいて楽しくなってきました(現場の阿鼻叫喚ぶりは如何ばかりか?)。お勧めです。

 ところで木村大作さんのように、「職務権限・分掌」を無視し、良い映画を撮るために猪突猛進するようなカメラマンは「労働者」になるのかどうか。新宿労基署長事件がずっと頭にひっかかっているのですが、なかなか難しいですね。労災保険法における「労働者」と労基法のそれとはやはり区別して良いようにも思えるところです(立法論になりますが)。

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