2011年3月28日月曜日

被災地における未払賃金立替払制度の申請簡略化

 東北関東大震災に伴う厚労省の対応の中に「未払賃金立替払制度の申請簡略化」が含まれています(こちら)。地味ではありますが、実務的に重要性が高いと思われるため参考までにご紹介を。

 被災地に本拠をおく事業場においては、震災によって事業活動が停止し、今月分の給料支払いに困難をきたすところも少なくないと思われます。国は震災前から、未払賃金立替払制度を設け、賃金未払いの被害にあった従業員に対し、給料を一部立替払いする制度が設けられています(所掌は主に労基署 詳細はこちら)が、同制度は「会社が事実上倒産し、賃金支払い能力がないこと」の認定と、各労働者の未払い賃金額等の確認に際し、資料収集・調査が必要です。これを今回の被災地にそのままあてはめてしまうと、各種帳簿等含め関係書類が散逸している事業場等で勤務する従業員に対し、救済が得られない結果を招きます。

 そこで新たに示された通達では、賃確法施行規則9条3項但し書き(認定)、同14条2項但し書き(確認)を活用し、以下の事業場については申請簡略化を図るよう示達しています。
 地震に伴い、災害扶助法2条の規定に基づきその適用の対象とされた地域(※帰宅困難者対応として適用された東京都除く)に本社機能を有する事業場が所在している中小企業事業主であって、地震による建物の倒壊等の直接的な被害(以下「地震被害」という)により事業活動が停止し、再開する見込みがなく、かつ、賃金支払い能力がないものとすること。

 同通達によれば、罹災証明書などをもって、極力現地の実情に沿った認定・確認業務を進めるとの事です。詳細については、各労働基準監督署にご相談ください(被災地における監督署の開庁・相談窓口状況はこちら

 

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