2010年10月7日木曜日

労災審査請求手続きの一部変更について

 厚労省HPに本年10月から労災審査請求手続きの一部を変更する旨、UPされています(こちら)。

審査請求の際に、処分庁(労基署長)から示される意見書をあらかじめ審査請求人に示すよう改正するとの事。

今までそのような取扱いではなかった点にこそ、少なからず驚かされました。

労災審査官制度自体が行政不服審査法の全面改正に伴い、廃止が提言されている中(行政不服審査法の改正案の概要はこちら 国会審議進んでいない状況)、同手続きを一部見直すという事がどれだけ意義のあることか諮りかねますが、社労士としては、注目すべき改正点ではあります。

なお業務見直しに伴い、労災保険の不服審査案件の概要がHPでUPされるようになっています(こちら)。同案件について、ぜひ集中的に検討してみたいと思う次第。とりわけ労働判例として研究されにくい治癒判断、障害等級決定などに関心があります。





 

2010年10月5日火曜日

精神障害の労災認定基準 再び見直しか?

 本日(10月5日)、厚労省HPを見ておりましたら、大変気になる案内がありました。

第1回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」の開催についてこちら

第1回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」の開催について

標記検討会について、下記のとおり開催いたしますので、お知らせいたします。



1.日時
平成22年10月15日(金) 9:00~11:00

2.場所
厚生労働省共用第9会議室(中央合同庁舎第5号館19階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

3.議題
精神障害の労災認定の基準について


 
 精神障害の労災認定基準は昨年(平成21年4月)に見直されたばかりです(こちら)。

 1年半足らずでまた見直しのための研究会を発足するのは異例と言わざるを得ません。今のところ、同検討課題は示されていませんが、一つあるとすれば、最近の裁判例において、相次ぐ精神障害の労災不支給決定処分取消があるように思われるものです。

 私自身の印象では、近時の裁判例は心理的負荷の過重性評価を「本人」基準にしているように思われる事案や、配転による心理的負荷の過重性を強調しているものが目立ちます。またパワハラによる精神障害を主張する事案が増加していますが、現行基準では極端な上司による暴言を除き、適合的な判断基準がいまなお示されていないようにも思われます。

 いずれにしましても同研究会において、どのような労災認定基準の見直しが検討されるのか注目されます。

 

2010年10月4日月曜日

3件目の事業場外みなしに係る地裁判決

本ブログにおいて、かねてから取り上げておりました旅行添乗員に対する事業場外みなし労働について、3件目の地裁判決が登場しました(こちら)。

村田一広裁判官は「添乗員は長距離にわたる移動をし、旅程を管理するという業務の性質上、労働時間を認定することは困難が伴う」とみなし労働制の適用は適切と指摘。一方、添乗員らの従事したツアーごとにみなし労働時間を判断し、割増賃金計約1,140万円と、さらに同額の付加金も併せて支払うよう認定した。 (JILPTメールマガジンより)。

判決文をまだ確認しておりませんが、同記事によると、結論は7月判決と同様ではありますが、みなし労働の適用を肯定した理由付けは異なるようです。7月判決が4・6通達に基づき判断を行ったことに対し、9月判決は「業務の性質」を中心に判断しているようですが、いずれにしても判決文の精査が必要です。

労働側、会社側ともに控訴するようですので、東京高裁がどのような判断を行なうか大変に注目されるところです。






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