2009年6月5日金曜日

37号告示の疑義応答集セミナーについて

 1~2年前、ある先生が名調子でおっしゃられたのが、「泣く子も黙る37号」との言葉でした。たしかに偽装請負問題がマスコミにおいて大々的に報道されていた一時期、派遣請負区分基準である37号告示は、大変な権勢(?)を誇っていました。

 その際、耳にしたことがある都市伝説の一つに、ある局(北関東地方)で請負労働者と社員のトイレを別にするよう口頭で指導がなされたとの話がありました(混在がダメということの一つとして?)。そのような噂が流れ飛ぶほど、この37号告示が分かりづらく、また不透明な行政指導がなされているとの不満が一部に根強くあったものです。

 それが昨年からの不況を受け、偽装請負問題が下火(派遣切り・請負切りの問題が深刻化)となった今年3月末になり、唐突に出されたのが厚労省「37号告示に関する疑義応答集」です(こちら)。(※なお同トイレ問題は同疑義応答集Q12で、そのような馬鹿げた解釈を明確に退けています。当然だと思いますが、質疑応答集にわざわざ書いているということは・・・・)。

 昨日、特定社会保険労務士で元需給調整指導官でもあった田原咲世先生が、この疑義応答集について解説するセミナーを聴講いたしました(こちら なお企画を担当しました)。田原先生には以前もセミナーで講師をお務めいただいたことがあるのであるが、前回同様、大変分かりやすく、かつユーモアあふれる講演で勉強になりました。

 この37号告示の問題は、構内下請の場合、使用施設の賃貸借契約など非常に細かいことも含めて見ていく必要があります。田原先生のように、実務経験があり、かつ関係法令に精通している専門家は見あたらず、本当に有り難いご講演を頂けたと感じております。(なお田原先生のブログはこちら。私も北海道在住が長く、先生のブログにある美味しそうな食べ物をみては望郷?の念にかられております(笑))。

 現状では偽装請負の問題が沈静化していますが、製造業の復調が見られた場合、請負・派遣活用が急激に進むものと予想されます。その際、この偽装請負、37号告示問題が再燃することは、まず間違いないところです。今のうちに、同質疑応答集を前提とした実務対応策を研究しておくべきでしょう。

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